「技術には自信がある。でも営業が苦手で、なかなか元請けの仕事が増えない」——清掃業やハウスクリーニング業を営む方なら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。
清掃業界は参入障壁が低い分、価格競争が激しく、下請け構造に組み込まれると利益が薄くなりがちです。元請け会社が受け取る金額の半分以下しか末端に届かないケースも珍しくありません。かといって、現場作業に追われる毎日の中で、営業活動に十分な時間を割くのは難しい。
そこで注目したいのが、お問い合わせフォームを使ったDM営業(フォーム営業)です。不動産管理会社や工務店、リフォーム会社、ビルメンテナンス会社といった法人に対して、自社の強みを直接アピールできる手法として、実は清掃業と非常に相性が良いのです。
この記事では、清掃業・ハウスクリーニング業が抱える営業課題を整理した上で、フォーム営業で法人顧客や協業先を開拓する具体的な方法をお伝えします。
清掃業・ハウスクリーニング業の法人開拓が難しい3つの理由
清掃業の法人営業がうまくいかない背景には、業界特有の構造的な問題があります。
1つ目は、現場作業と営業の両立が難しいこと。 清掃業は「現場に出てナンボ」の仕事です。日中は作業に入り、移動時間もかかるため、不動産会社や管理会社を回って営業する時間がほとんど取れません。個人事業主や少人数の会社であればなおさらです。「営業したいけど、現場を止められない」というジレンマに多くの事業者が直面しています。営業担当を雇おうにも、1人あたり年間500〜600万円のコストがかかるため、小規模な清掃会社にとっては大きな負担です。
2つ目は、下請け構造から抜け出しにくいこと。 清掃業界では、元請けから中間会社を何社も経由して末端の作業会社に仕事が回る多重下請け構造が根強く残っています。元請けが15万円で受注した案件が、5社、6社と間に入る中で末端には2〜3万円しか届かなかった、という話も珍しくありません。下請けの仕事だけでは利益率が低く、事業の成長が頭打ちになります。
3つ目は、飛び込み営業やテレアポへの心理的ハードルが高いこと。 清掃の技術者が営業もこなさなければならないケースでは、「営業トークに自信がない」「断られるのが怖い」という声をよく聞きます。特に不動産管理会社や工務店への飛び込みは、すでに取引先が決まっていることが多く、門前払いされがちです。テレアポも、リモートワークの普及で担当者に電話がつながりにくくなっており、効率が年々下がっています。
営業マン不足で困っている経営者の方は、こちらの記事も参考になります。
清掃業の法人開拓にフォーム営業が向いている理由
「フォーム営業」とは、企業のWebサイトにあるお問い合わせフォームから営業メッセージを送る手法です。では、なぜこの方法が清掃業の法人開拓に適しているのでしょうか。
現場作業中でも営業活動が止まらない。 フォーム営業の最大のメリットは、配信を自動化・外注できる点です。自分が現場で作業している間にも、数百〜数千件の法人に対してアプローチが進みます。飛び込みやテレアポのように「自分の時間を使って1件ずつ」ではなく、「仕組みで一斉に」アプローチできるのは、人手が足りない清掃業者にとって大きなアドバンテージです。
決裁者の目に届きやすい。 お問い合わせフォームに送られたメッセージは、多くの企業で管理者や経営者に転送されます。テレアポでは受付で断られてしまうケースでも、フォーム経由なら決裁者に直接情報が届く可能性が高いのです。特に中小の不動産管理会社や工務店では、代表者自身がフォームを確認していることも多く、ダイレクトにアプローチできます。
業種やエリアを絞ってターゲティングできる。 フォーム営業では、「不動産管理会社×東京都」「リフォーム会社×大阪府」のようにターゲットを細かくセグメントして配信できます。清掃業は基本的に地域密着型のビジネスですから、自社の対応エリア内にある法人企業に絞ってアプローチできるのは合理的です。
コストが圧倒的に低い。 飛び込み営業の交通費や、テレアポの人件費と比べて、フォーム営業は1件あたりのコストが格段に安くなります。たとえばフォーム営業の配信代行サービスを使えば、1通あたり数円〜という価格帯から始められます。一般的にフォーム営業の返信率は0.2〜0.6%と言われており、仮に5,000件配信して0.3%の反応があれば15件の問い合わせが発生します。飛び込み営業で15件のアポを取ろうとすれば、何日もかかる作業です。少額からテスト配信できるので、「まずは500件送って反応を見る」という段階的なアプローチも可能です。フォーム営業AIツールの比較はこちらで解説しています。
フォーム営業で協業先を開拓した清掃業の事例──ビカンテック社
ここで、実際にフォーム営業を活用して法人開拓に取り組んでいる事例をご紹介します。
株式会社ビカンテック様は、独自の「ビカン工法」を駆使した特殊ハウスクリーニングとリペアクリーニングを提供する企業です。カビや汚れを根元から取り除き、防カビ・防菌処理まで施すことで、一般的なクリーニングとは一線を画す技術力を持っています。環境に優しい洗剤で素材を傷めず、長期的な美観維持を実現するこの工法は、外壁やお風呂のカビ汚れに特に強みを発揮します。
ビカンテック社がIZANAGIのフォームDM配信を導入した目的は、**「協業先の新規開拓」**でした。代表の平田様は、ビカン工法を広めるためにより多くの企業にアプローチしたいと考えていたものの、従来の営業方法では限界を感じていたといいます。
IZANAGIを選んだ決め手は「大量配信の施策」と「将来性」。平田様は、「まずはたくさん配信を行うという施策を試してみたかった」と語ります。清掃業界では、本業がうまくいかず困っている事業者に新たなビジネスの機会を提案したり、既存の事業者に新規事業として売上アップに貢献したりと、「協業パートナー」としての提案が重要になります。フォームDMなら、こうした提案を一度に多くの企業に届けることが可能です。
ビカンテック様のインタビュー全文は「株式会社ビカンテック 平田様インタビュー」でご覧いただけます。
清掃業がフォーム営業で法人顧客を獲得するための配信設計
「フォーム営業が良さそうなのは分かった。でも、何をどう送ればいいの?」という方に向けて、清掃業に特化した配信設計のポイントを整理します。
ターゲットを明確にする。 清掃業の法人営業先は大きく分けて、不動産管理会社、工務店・リフォーム会社、ビルメンテナンス会社、オフィスビル管理会社、ホテル・旅館、介護施設などがあります。まずは自社の強みが活きるターゲットに絞りましょう。たとえば、空室クリーニングが得意なら不動産管理会社に、特殊清掃の技術があるならビルメンテナンス会社に、エアコンクリーニングならオフィスビル管理会社に——という具合です。
文面は「相手の課題」から入る。 清掃業の営業でありがちな失敗は、「弊社はこんなサービスをやっています」と自社紹介から始めてしまうことです。フォームDMの文面では、「退去シーズンの清掃手配にお困りではありませんか?」「定期清掃の品質にばらつきが出ていませんか?」のように、相手が抱えている課題を先に提示すると反応率が上がります。
「下請け価格」ではなく「品質」で訴求する。 フォームDMで価格を前面に出すと、結局は価格競争に巻き込まれます。むしろ、「〇〇工法で防カビ処理まで対応」「環境に優しい洗剤を使用」「作業後の保証期間あり」など、他社にはない付加価値を訴求しましょう。ビカンテック社のように独自技術を持っている場合は、それが最大の差別化ポイントになります。
エリアを限定して配信する。 清掃業は基本的に地域密着型です。対応可能なエリアの法人に絞って配信することで、無駄打ちを減らし、反応率を高められます。「東京都23区内対応」「大阪市内即日対応可」のように、エリアと対応力を明記すると信頼感も増します。
季節需要を意識した文面を用意する。 清掃業には、時期によって求められるサービスが大きく変わるという特徴があります。たとえば1月に「3月の退去シーズンに向けた空室クリーニングのご提案」を送れば、まさにこれから手配を考え始める管理会社のタイミングと合致します。5月に「夏場のエアコンクリーニング一括対応」を提案すれば、オフィスビル管理会社の需要にぴったりです。同じサービスでも、季節に合わせて文面を変えるだけで反応率は大きく変わります。
反応が取れるフォーム営業の文面の書き方については、まず基本をおさえたい方は「【2025年版】中小企業の新規顧客獲得法|広告費高騰時代に効果的な5つの最新手法」もあわせてご覧ください。
清掃業がフォーム営業を始めるときの注意点
フォーム営業は強力な営業チャネルですが、清掃業ならではの注意点もいくつかあります。
「営業お断り」のフォームには送らない。 企業のお問い合わせフォームに「営業メールお断り」と記載されている場合は、配信しないのが鉄則です。クレームやトラブルの原因になるだけでなく、地域密着型の清掃業にとっては評判リスクも大きくなります。IZANAGIでは営業NGのキーワードを自動判別して配信をスキップする機能を備えており、拒否リスト管理も徹底しています。
繁忙期を見据えた配信タイミングを意識する。 清掃業には明確な繁忙期があります。引越しシーズン(2〜4月)の空室クリーニング需要、年末の大掃除需要、エアコンクリーニングのシーズン(5〜7月)などです。これらの繁忙期の1〜2ヶ月前にフォームDMを配信しておくと、「ちょうど探していた」というタイミングで目に留まりやすくなります。
最初は小ロットでテストする。 いきなり大量配信するのではなく、まずは500〜1,000件程度から始めて、反応率や問い合わせ内容を確認しましょう。「不動産管理会社よりリフォーム会社のほうが反応が良い」「空室清掃より特殊清掃の訴求が刺さる」といった傾向が見えてくれば、2巡目以降の配信をより精度の高いものに改善できます。
配信後に反応がゼロだった場合の改善方法は「お問い合わせフォームDM配信で全く反響がゼロ…?プロが明かす、成功するための3つの秘訣」で詳しくまとめています。
まとめ
清掃業・ハウスクリーニング業にとって、法人顧客や協業先の開拓は事業成長のカギを握っています。しかし、現場作業に追われる中で飛び込みやテレアポに時間を割くのは現実的ではありません。
フォーム営業は、「現場にいながら営業が動く」仕組みを低コストで構築できる手段です。ビカンテック社のように、独自の技術力を多くの企業に知ってもらうための「拡声器」として活用するのも一つの方法でしょう。
まずは自社の強みが活きるターゲットを決めて、小さくテスト配信から始めてみてはいかがでしょうか。
お問合せフォーム自動営業にご興味をお持ちの方は、お気軽にお問合せください
