製造業の新規開拓にフォーム営業が向いている理由と始め方

「技術力には自信がある。でも、新しい取引先をどうやって見つければよいか分からない。」製造業の経営者や営業担当者から、よく聞く悩みです。長年の既存取引先に支えられてきた会社ほど、取引先の発注が減ったときに、すぐ次の手を打てません。

この記事は、製造業(ものづくり企業)の新規開拓・新規営業の方法を、費用と向き不向きで比べたうえで、営業の専任者がいなくても始められる「フォーム営業」を取り上げます。フォーム営業とは、企業のホームページにあるお問い合わせフォームに、自社の技術や製品の案内を送る方法です。

内容は次のとおりです。

  • 製造業の新規開拓が難しい3つの理由
  • 展示会・テレアポ・紹介・Web・フォーム営業などの手法の比較表(費用と向き不向き)
  • 全国の製造業にフォームで送れる会社が何社あるか(リストハブの集計)
  • 営業の専任者がいない会社が、営業を立ち上げる手順
  • 新規営業を強化するときに見る数字

製造業の新規開拓が難しい3つの理由

はじめに、製造業の新規開拓がなぜ難しいのかを整理します。理由が分かると、手法を選ぶ基準も決まります。

営業の専任者がいない

製造業の多くの会社では、技術者や工場のスタッフが社員の大半を占めます。営業専任の人を置く余裕がなく、社長が営業を兼ねている会社も少なくありません。現場の仕事を回しながら、新規の取引先を探す時間をつくるのが難しい状態です。

ルート営業に頼り、新規開拓の仕組みがない

特定の元請けやメーカーとの長期の取引が中心で、「紹介」や「既存の人脈」で仕事が来ていた会社は、新しい取引先を自分から探す方法が社内に残っていません。主要な取引先から発注量を減らすと言われたときに、代わりの受注先をすぐ見つけられないという問題が出ます。営業人員が足りない会社の考え方は、営業マンが足りない時代の新規開拓でも取り上げています。

展示会やテレアポの費用に対して、商談が少ない

展示会は開催が年に数回で、出展費用がかかります。ブースの装飾や人件費まで含めると、1回の出展で100万円を超えることもあります。名刺交換をしても、商談に進むのは一部です。テレアポは、技術の内容を短い電話で伝えることが難しく、受付で担当者につながらないことも多くあります。

製造業の新規開拓の手法を比べる|展示会・テレアポ・紹介・Web・フォーム営業

製造業の新規開拓の手法を比べる|展示会・テレアポ・紹介・Web・フォーム営業

製造業の新規開拓には、主に次の方法があります。費用と向き不向きを、1つの表にまとめます。費用は、当サイトの費用比較の記事(営業代行は高い?費用比較ガイド)で整理している目安です。

手法費用の目安向いている場合向かない場合
展示会ブース代が30〜80万円。装飾や配布物を含めると100〜300万円製品を実物で見せたい。新製品の発表開催が年に数回で、出展費用が先に必要。商談になる割合を読みにくい
紹介・既存の人脈紹介料を払わなければ、直接の費用はほとんどかからない信頼のある取引先から広げたい紹介の件数を自分で増やせない。人脈が狭いと止まる
テレアポ(自社)担当者の人件費。外注すると、成果報酬型で1アポ1.5〜3万円、月額固定型で月20〜50万円質問に答えながら、その場で話を進めたい技術的な説明が難しい。受付で止まる。担当者の経験に左右される
Web(自社サイト・広告)制作費と運用費が続けてかかる検索している相手に見つけてほしい。技術情報を蓄積したい成果が出るまでに時間がかかる。更新の担当者が必要
郵送DM1通300〜500円手元に残る資料を送りたい。住所があれば送れる件数が増えると費用が大きい。送るまでに印刷・封入の時間がかかる
フォーム営業IZANAGIは1通1.25円から。5,000件に送って6,250円営業の専任者がいない。業種や地域を絞って、多くの会社に案内したいフォームがない会社には送れない。1回で商談にならないため、反応を見て改善する

どれか1つが正解というわけではありません。製造業の新規開拓では、展示会や紹介で関係を深め、フォーム営業で最初の接点を増やすという組み合わせがよく使われます。営業の専任者がいない段階では、人手と費用の負担が小さい方法から始めて、反応を見ながら増やす進め方が現実的です。他の手法との費用の比べ方は、テレアポとフォーム営業の費用対効果にも書いています。

製造業の新規開拓にフォーム営業が向いている理由

前の表のとおり、フォーム営業は、営業の専任者がいない製造業の事情に合う点がいくつかあります。

営業の人員がいなくても、多くの会社に案内できる

フォームへの入力と送信は、ツールで自動にできます。営業の人を新しく雇わなくても、数千件、数万件の単位で案内を送れます。現場の仕事を止めずに、新規営業の件数を増やせます。

業種とエリアで、送り先を絞れる

送り先のリストは、業種・エリア・企業の規模で絞れます。たとえば「関東の自動車部品メーカー」「東海の食品工場」のように、自社の技術や製品が活きる相手に案内を送れます。

受付を通らずに案内を見てもらえる

電話では、受付で「担当者は不在です」と言われて止まることがあります。フォームに入力した案内は、受付を通らず、お問い合わせの窓口に届きます。従業員の少ない会社では、お問い合わせの窓口を経営者や管理部門が兼ねていることがあり、案内を直接見てもらえる場合があります。

技術や強みを、文面で整理して伝えられる

電話では、加工技術や品質管理の体制を短い時間で伝えるのが難しくなります。フォーム営業なら、文面に強みを整理して書けます。「精密切削加工で±0.01mmの公差に対応」「ISO9001取得」「試作から量産まで一貫対応」のように、数字や条件を入れると、相手は自分の都合で読み、検討できます。

全国の製造業のうち、フォームで送れる会社は何社あるか

全国の製造業のうち、フォームで送れる会社は何社あるか

送り先の数は、営業の計画を立てる最初の材料です。リストハブ(全国の製造業の営業リスト)の集計では、全国の製造業関連の企業・店舗は180,178件です。連絡先の分かる割合は、次のとおりです。

連絡先分かる件数割合
電話番号159,815件88.7%
問い合わせフォームのURL125,005件69.4%
メールアドレス42,184件23.4%
メールとフォームの両方32,713件―

メールアドレスが分かる会社は約4万2千件ですが、フォームのURLが分かる会社は約12万5千件で、メールの約3倍あります。メールアドレスが分からず、フォームだけが分かる会社は、125,005件から両方分かる32,713件を引いた約9万2千件です。メールでは届かなかった会社にも、フォームなら案内を送れます。

業種の内訳と、件数の多い都道府県

細かい業種は19種類に分かれ、件数の多い順に次のとおりです。

細かい業種件数
その他の製造64,745件
食料品25,340件
金属製品19,688件
印刷10,434件
化学・プラスチック9,081件
電子・精密機械器具8,935件
装置・設備8,853件
工作機械・一般機械器具6,969件

都道府県別では、大阪府が20,325件でもっとも多く、東京都が18,652件、愛知県が14,395件、埼玉県が9,956件と続きます。この4都府県では、フォームのURLが分かる会社の割合が72.6〜79.8%です(愛知県79.8%、大阪府78.7%、東京都77.8%、埼玉県72.6%)。

金属加工や機械部品の会社であれば、「金属製品」「工作機械・一般機械器具」「装置・設備」のように、取引先になりそうな業種を選び、近い都道府県から送る進め方ができます。件数の確認とCSVのプレビューは、リストハブの製造業のページで無料で見られます。自分でリストを集めたい場合は、IZANAMIが収集に使えます。

営業の専任者がいない製造業が、営業を立ち上げる手順

営業の専任者がいない製造業が、営業を立ち上げる手順

営業の専任者がいない会社が、新規営業を立ち上げる手順を5つに分けて書きます。最初は少ない件数で始め、反応を見て広げます。

手順1:送る業種とエリアを決める

全国のすべての会社に送るのではなく、自社の技術や製品が求められる業種を選びます。過去の受注で利益率が高かった業種を書き出し、その業種に近い会社から始めてください。エリアは、納品のしやすさや運ぶ費用を見て絞ります。ターゲットを狭くするほど、文面に具体的な提案を書けるため、相手の目に留まりやすくなります。

手順2:送り先のリストをつくる

リストハブの「フォームあり」で絞ると、フォームに送れる会社だけの件数が分かります。まず数百件から始めると、返信への対応も追いつきます。

手順3:強みが伝わる文面をつくる

「何でもできます」ではなく、「この課題を解決できます」と書きます。「試作を1週間以内に」「10個から小ロットで対応」のように、相手の得になる内容を数字で書くと、読んで判断してもらえます。書き方は反応が取れる文面テンプレートと反響がゼロのときの3つの秘訣にまとめています。

手順4:営業お断りの会社を除いて、時間を決めて送る

フォームに営業のお断りが書かれた会社には送りません。除外の考え方は、フォーム営業は違法?お断りと書かれたフォームの扱いで説明しています。送る曜日と時間帯は、送信時間帯と配信設計を参考にしてください。

手順5:返信を記録し、月ごとに見直す

配信後は、届いた数、返信、URLのクリック、商談になった数を記録します。返信が来たときの進め方は返信が来たらどうする?追客の手順に書いています。IZANAGIでは、URLクリックの集計や反響の管理を使えます。機能の比較はフォーム営業ツール比較のページにあります。

新規営業を強化するときに見る数字

新規営業を強化するときに見る数字

営業を立ち上げたあと、新規営業を強化するには、配信ごとの数字を同じ条件で比べます。見る数字は4つです。

数字計算下がったときに見直す点
届いた率届いた数 ÷ 送った数リストのフォームの状態、送り方
返信率返信の数 ÷ 届いた数業種と商材が合っているか、文面の冒頭
商談化率商談になった数 ÷ 返信の数返信への対応の速さ、提案の内容
1商談あたりの費用配信費用 ÷ 商談の数送る件数、業種の選び方

分母を「送った数」にするか「届いた数」にするかで、同じ配信でも数字が変わります。数字の数え方はフォーム営業の反応率・アポ率・返信率の見方、商談数から送る件数を逆算する方法はフォーム営業の成果は「届いた数」で決まるにまとめています。

強化の進め方は、次のとおりです。

  • 同じ業種に、文面だけを変えて送り、反応を比べる
  • 反応が多かった業種に、送る件数を増やす
  • 業種の絞り込みを見直す。考え方はフォーム営業はリストの質で決まるに載せています
  • 展示会で名刺交換した会社には、メールがなければフォームで連絡する

1回の配信で結果が決まるわけではありません。業種や文面を変えながら複数回の配信を比べると、どの業種に、どの切り口が合うかが分かります。

まとめ|製造業の新規営業は、少ない件数から立ち上げる

製造業の新規開拓には、展示会、紹介、テレアポ、Web、郵送DM、フォーム営業などがあります。営業の専任者がいない会社は、人手と費用の負担が小さい方法から始めて、反応を見ながら増やす進め方が現実的です。

リストハブの集計では、全国の製造業180,178件のうち、フォームのURLが分かる会社は125,005件(69.4%)あります。メールだけでは届かない会社にも、フォームで案内を送れます。IZANAGIの送信単価は1通1.25円からで、5,000件の送信費用は6,250円です。まず数百件から始めて、届いた数と返信を記録してください。

展示会や営業採用のような初期の投資をかけずに、新規営業を始められます。他の新規開拓の手法もあわせて比べたい場合は、中小企業の新規顧客獲得法を参考にしてください。IZANAGIの機能や料金は、IZANAGIの公式サイトで確認できます。

参考・出典

  • 全国の製造業の会社一覧・営業リスト|リストハブ https://tsukuyomi-list.com/list/japan/manufacturing
  • 営業代行は高い?テレアポ月50万 vs フォームDM月1万|IZANAGI https://izanagi-ai.com/know-how/2555.html

よくある質問

製造業の新規開拓には、どのような方法がありますか?

主に、展示会、紹介・既存の人脈、テレアポ、Web(自社サイト・広告)、郵送DM、フォーム営業があります。費用と向き不向きは、この記事の比較表にまとめています。営業の専任者がいない会社は、人手と費用の負担が小さい方法から始めて、反応を見ながら増やす進め方が現実的です。

新規開拓と新規営業は、同じ意味ですか?

ほぼ同じ意味で使われます。どちらも、これまで取引のなかった会社と新しく取引を始めるための活動を指します。この記事では、新しい取引先を探して案内を送る活動全体を、新規開拓・新規営業と書いています。

営業の専任者がいない製造業は、営業をどう立ち上げればよいですか?

送る業種とエリアを決め、リストをつくり、強みが伝わる文面を用意して、少ない件数から送ります。送った数、届いた数、返信、商談の数を記録し、月ごとに見直してください。手順は、この記事の「営業の専任者がいない製造業が、営業を立ち上げる手順」に書いています。

全国の製造業は、何社ありますか?

リストハブの集計では、全国の製造業関連の企業・店舗が180,178件あります。このうち、問い合わせフォームのURLが分かる会社は125,005件(69.4%)、メールアドレスが分かる会社は42,184件(23.4%)です。最新の件数は、リストハブの製造業のページで確認できます。

メールアドレスが分からない製造業にも、営業できますか?

できます。フォームのURLが分かる会社は、メールアドレスが分かる会社の約3倍あります。メールアドレスが分からず、フォームだけが分かる会社が約9万2千件あるため、フォームで案内を送れます。

展示会とフォーム営業は、どう使い分けますか?

展示会は、製品を実物で見せて関係を深める場です。フォーム営業は、費用を抑えて、多くの会社に最初の案内を送る方法です。展示会で名刺交換した会社に、メールアドレスがなければフォームで連絡することもできます。

フォーム営業の費用は、どのくらいかかりますか?

IZANAGIの送信単価は1通1.25円からです。たとえば5,000件に送って6,250円、10,000件に送って12,500円です。リストを購入する場合は、別にリストの費用がかかります。

営業お断りと書かれたフォームには、送ってよいですか?

送らない会社として除外してください。見分け方と除外の手順は、「フォーム営業は違法?」の記事で説明しています。

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