人材紹介会社や派遣会社の営業は、「いま人を探している会社」を見つけるところから始まります。人材紹介では求人の依頼を受けること(求人開拓)、派遣では派遣先になってもらうこと(派遣先開拓)が、売上の入口です。
電話で続けると、採用担当者に繋がるまでに時間がかかり、受付で止まることもあります。この記事では、会社のホームページにある問い合わせフォームから営業メッセージを送る方法を、求人を出している会社に絞るところから順に説明します。リストの作り方、送り先のフォームの選び方、文面の例、反応があったあとの電話の順番までを扱います。
この記事の結論
・送り先は、いま求人を出している会社に絞る。募集している職種・人数・勤務地が求人ページで確認できるので、文面に入れられる
・業種を問わず、フォームのURLが分かる会社の割合は67〜78%で、メールアドレスが分かる会社(16〜28%)より多い。フォームを使うと、メールでは届かない会社に届く
・文面は、紹介手数料や料金の説明より先に、相手が出している求人の内容に触れる
・求人の応募用フォームや採用専用フォームには営業を送らず、会社全体の問い合わせフォームに送る
読者は、人材紹介会社(RA・求人開拓の担当)と、人材派遣会社の法人営業の担当者を想定しています。
人材紹介・派遣会社の求人開拓が、電話だけでは続かない理由

人材紹介と派遣では、営業で取りたいものが違います。この記事では、2つを次のように呼び分けます。
| 人材紹介 | 人材派遣 | |
|---|---|---|
| 営業で取りたいもの | 求人の依頼(紹介の契約と求人票) | 派遣の依頼(派遣先としての契約) |
| この記事での呼び方 | 求人開拓 | 派遣先開拓 |
| 話す相手 | 人事・採用担当、採用する部署の責任者、小規模な会社では経営者 | 人事・総務、人が足りない現場の責任者 |
| 相手に伝えること | 紹介できる人材の職種・経験と、手数料の考え方 | 派遣できるスタッフの職種・人数・開始時期と、料金の考え方 |
どちらも、相手が「いま人を探している」ときに話が進みます。ところが電話は、1日にかけられる件数に限りがあり、採用担当者に繋がるまでに受付を通ります。求人を出している会社には、人材紹介会社や派遣会社からの営業電話が重なりやすく、電話を受ける側も慣れています。
問い合わせフォームは、相手が自分の都合のよい時間に読めます。文面が文字で残るので、求人の内容に合わせた提案を書いておけば、読んだ人が社内で回せます。電話の前に、フォームで「何を提案する会社か」を伝えておくと、電話の最初の一言が短くなります。
フォームから電話までの流れは、フォーム営業・メール・電話の3段の組み立てで詳しく説明しています。この記事は、そのうち最初に送るフォームの部分を、人材紹介・派遣会社向けに具体的にしたものです。
求人を出している会社に絞ると、営業の中身が変わる

求人を出している会社は、いま人を探しています。これは営業する側が推測する話ではなく、求人ページで確認できる事実です。募集している職種、人数、勤務地、掲載を始めた時期が分かるので、営業メッセージに書けます。
| 業種と地域だけで絞ったリスト | 求人を出している会社のリスト | |
|---|---|---|
| 採用の予定 | 会社に聞くまで分からない | 求人ページで確認できる |
| 文面に書けること | 業種に合わせた一般的な提案 | 募集中の職種・勤務地・人数に合わせた提案 |
| 相手が読む理由 | いま採用していなければ、読む理由がない | いまの採用の悩みに関係する内容なので、読む理由がある |
| 電話に進めるとき | 「ご採用のご予定は」から聞く | 求人の内容を見たうえで、具体的な話から始められる |
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」では、有効求人倍率は1.18倍(季節調整値)でした。求職者1人に対して、求人が1件を超えている状態です。ただし、新規求人を産業別に見ると、前年同月と比べて全体は3.4%減、製造業は3.9%増、情報通信業は3.3%増と、業種で動きが分かれています(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」)。求人が増えている業種から始めると、求人を出している会社を見つけやすくなります。
求人の見方|どの会社に先に送るか
求人を出している会社が数百社あるときは、全社に同時に送らず、次の順に分けて送ります。反応を見ながら文面を直せるからです。
- 第1グループ:掲載が長く続いている会社、複数の求人媒体に同時に載せている会社。1つの媒体では人が集まっていない可能性があり、別の経路の提案を受け入れやすい
- 第2グループ:新しく掲載を始めた会社。まだ他の人材会社から連絡を受けていない可能性があり、最初に提案できる
- 第3グループ:それ以外の会社。第1・第2グループの反応を見て、文面を直してから送る
「急募」「増員」の記載、同じ職種で複数名を募集しているかどうかも、優先度を決める目安になります。ターゲットを決める考え方は、フォーム営業はリストの質で決まるにまとめています。
求人あり・なしで、自社の反応を比べる方法
求人を出している会社のほうが反応がよいかどうかは、自社の文面と自社の紹介・派遣の強みで変わります。確かめるには、同じ業種・同じ地域から、求人を出している会社200社と、出していない会社200社を選び、同じ文面を同じ日に送って、返信の数を比べます。1回の比較でも、次に力を入れる方向が決まります。
業種ごとの届きやすさ|フォームのURLが分かる会社の割合

フォーム営業は、会社のホームページに問い合わせフォームがあって初めて送れます。リストハブが収録している企業のうち、人材紹介・派遣の依頼が多い業種で、フォームのURLが分かる会社とメールアドレスが分かる会社の割合を比べます。
| 業種 | 収録件数 | フォームのURLが分かる | メールアドレスが分かる |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 179,763件 | 69.3% | 23.5% |
| 建設・工事・リフォーム | 204,689件 | 71.9% | 20.7% |
| 運輸・物流 | 66,881件 | 67.2% | 16.1% |
| 介護・福祉 | 108,458件 | 70.4% | 20.9% |
| IT・通信・メディア | 55,018件 | 70.0% | 28.4% |
| 人材・アウトソーシング | 17,586件 | 78.4% | 27.3% |
出典:リストハブの業種別ページ(毎日集計。件数と割合は日々変わるので、最新の数字は各ページで確認できます)。
6つの業種すべてで、フォームのURLが分かる会社は67〜78%、メールアドレスが分かる会社は16〜28%でした。メールアドレスだけで営業すると、7割以上の会社が対象から外れます。フォームを使えば、メールアドレスが公開されていない会社にも届きます。
この表は、業種全体の数字です。求人を出している会社だけに絞った割合ではありません。絞り込んだ会社のうち、フォームのURLが分かる会社が何割かは、リストを作ったあとに分かります。絞り込む前の業種全体では、フォームのURLが分かる会社は67〜78%でした。
地域別の件数は、リストハブで都道府県を選ぶとその場で確認できます。まず自社の営業エリアで何社に送れるかを数えてから、送る業種を決めてください。
求人を出している会社のリストの作り方と、送り先のフォームの見つけ方

リストの作り方
求人を出している会社のリストは、求人の掲載情報から作ります。方法は3つあります。
- IZANAMIで求人の掲載企業を集める。IZANAMIは、ハローワークの求人企業や、求人サイトに求人を出している企業の会社名・所在地・ホームページURLなどを集められます。前回から新しく掲載した会社だけを取り出す設定もあるので、「新しく求人を出した会社」に毎週送る使い方ができます。月額7,800円からです。対応している求人サイトは対応サイト一覧で確認できます
- リストハブで業種と地域を選ぶ。リストハブは求人の有無では絞れませんが、業種・地域・「フォームのURLあり」で絞った会社を購入できます。求人を出している会社のリストと突き合わせると、フォームのURLが分かっている会社を先に選べます
- 手持ちの名刺・過去の取引先を使う。以前に求人の依頼をもらった会社、展示会で名刺交換した会社は、そのまま送り先にできます
3つの方法の違いと選び方は、お問い合わせフォームがある会社だけで営業リストを作る方法で説明しています。求人を出している会社の集め方は、人材紹介の新規開拓で「求人を出している企業」だけに絞る方法(IZANAMIの記事)も参考になります。
送り先は、会社全体の問い合わせフォーム
求人を出している会社のホームページには、フォームが2種類あることがあります。
| フォームの種類 | 届く先 | 営業を送るか |
|---|---|---|
| 会社全体の「お問い合わせ」「ご相談」 | 広報・総務・人事など、社内で担当が振り分けられる | 送る |
| 採用ページの「エントリー」「応募」 | 応募者の対応をする人事の窓口。応募者の情報として管理される | 送らない |
応募用のフォームに営業を送ると、応募者のデータに混ざり、人事の担当者の作業を増やします。人事担当者が最初に覚える印象が悪くなるので、避けてください。
会社全体のフォームに送るときは、本文の最初に「人事・採用ご担当者様」と宛先を書きます。問い合わせの種別を選ぶ欄があるときは、営業の提案に近い項目を選びます。
IZANAGIは、会社のホームページから問い合わせフォームを自動で探し出し、会社名や本文を入力して送信まで進めます。メールアドレスが分からない会社にも送れるので、リストの会社名とホームページURLがあれば始められます。
文面の組み立て|手数料の説明より先に、相手の求人に触れる

人材会社からの営業メッセージは、最初に会社名と紹介手数料(または派遣料金)が並ぶことが多くなります。受け取る側が知りたいのは、「自社の求人に合う人を出せる会社かどうか」です。次の順に書きます。
- 1.宛先:「人事・採用ご担当者様」
- 2.相手の求人に触れる一文:「御社の〇〇職の募集を拝見しました」。募集している職種・勤務地・人数のどれかを書く
- 3.提案の具体的な内容:紹介できる人材(派遣できるスタッフ)の職種・経験・人数・時期
- 4.自社の情報:会社名、事業の許可番号、担当者名、電話番号。許可番号を載せると、相手が正規の事業者かどうか確認できる
- 5.次にしてほしいこと:返信をお願いする内容を1つに絞る(例:求人票のご共有、15分のお電話)
- 6.不要なときの連絡先:今後の連絡が不要な場合の返信方法
人材紹介会社の文面例
人事・採用ご担当者様 突然のご連絡失礼いたします。人材紹介の〇〇株式会社の△△と申します。 貴社の「法人営業(〇〇エリア)」の募集を拝見しました。 弊社では、同じエリアで法人営業の経験がある方を、直近3か月で□名ご紹介しています。ご希望の経験年数や年収帯が分かれば、候補者をご紹介できるか、1営業日以内にお返事いたします。 もしよろしければ、現在の求人票をご返信いただけますでしょうか。 有料職業紹介事業 許可番号:〇〇-ユ-〇〇〇〇〇〇 担当:△△ 電話:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 今後のご連絡が不要な場合は、その旨をご返信ください。
□名には、実際に紹介した人数を入れてください。実績がない段階では、紹介できる人材の職種・経験の幅を書きます。
人材派遣会社の文面例
人事・総務ご担当者様 突然のご連絡失礼いたします。人材派遣の〇〇株式会社の△△と申します。 貴社の「〇〇(職種)」の募集を拝見しました。 正社員・アルバイトの採用と並行して、〇〇職の経験があるスタッフを、〇月から派遣できます。派遣の期間と人数は、貴社のご希望に合わせて調整いたします。 人が足りない時期だけ、派遣を使うことも可能です。ご都合のよい時間にお電話で状況をお伺いできますでしょうか。 労働者派遣事業 許可番号:派〇〇-〇〇〇〇〇〇 担当:△△ 電話:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 今後のご連絡が不要な場合は、その旨をご返信ください。
書かないほうがよいこと
- 冒頭に紹介手数料の料率や派遣料金を並べる。内容を読む前に値段の話になる
- 候補者の氏名・経歴など、個人が特定できる情報を書く。本人の同意なしに、会社へ送らない
- 「全職種に対応できます」のような広い言い方。相手の求人に合うかどうかが分からない
- すべての会社に同じ文面を送る。相手の求人に触れる一文だけでも、会社ごとに変える
文面は、スマホで読み切れる長さ(400字前後)にまとめます。業種ごとの例文は反応が取れるフォーム営業の文面テンプレートにもあります。
「営業お断り」の表示、同業への送り方、反応があったあとの電話

営業お断りと書かれたフォーム
フォームの注意書きに「営業目的のお問い合わせはお断りします」とある会社は、送り先から外します。「人材紹介・派遣会社からの営業はお断り」と書いている会社もあります。そのときも、同じように外します。IZANAGIは、「営業お断り」の記載がある会社には送信せず、拒否リストに登録した会社にも送りません。法律と運用の考え方は、フォーム営業は違法?クレームを防ぐ3つの運用ルールとフォーム営業は迷惑?クレームを防ぎながら成果を出すための正しいやり方を参照してください。
同業の人材会社に送る場合
人材会社どうしの提携(求人の共有、紹介先の相互紹介、派遣スタッフの融通など)を相談したいときは、リストハブの人材・アウトソーシング(17,586件、フォームのURLが分かる会社は78.4%)が送り先になります。このとき、本文の最初に「提携のご相談」であることを書いてください。顧客を取り合う相手と受け取られると、読まれずに終わります。
反応があった会社への電話
返信が来たら、その日のうちに返事をします。返信後の対応は、フォーム営業で返信が来たらどうする?にまとめています。電話をかけるときは、まず求人票を見たうえで、次の5つを確認します。
- 募集の背景(欠員か増員か)
- 人数と、いつまでに必要か
- 必須の条件と、あれば歓迎する条件
- 選考にかかる期間
- すでに他の人材会社に依頼しているかどうか
電話は、フォームに反応した会社にだけかけます。フォーム、メール、電話の使い分けは3段の組み立てを見てください。
送る時間帯と、始めるときの費用
送る曜日と時間帯はフォーム営業の送信時間帯と配信設計で説明しています。IZANAGIの送信単価は1通1.25円からです。求人を出している会社1,000社に送る場合、送信費用は1,250円からになります(リストの用意にかかる費用は別です)。
まず業種と地域を1つに決め、第1グループの会社に送って、返信の数を数えてください。結果を見て文面を直し、次のグループに進みます。IZANAGIの詳しい内容はizanagi-ai.comをご覧ください。
よくある質問
Q1. 人材紹介の求人開拓は、電話とフォームのどちらがよいですか?
どちらか一方ではなく、順番に使います。先に求人を出している会社にフォームで送り、反応があった会社にだけ電話をかけます。電話の最初の一言が短くなり、かける件数も減らせます。
Q2. 求人を出していない会社には送らないほうがよいですか?
送ってかまいません。ただ、最初は求人を出している会社から始めると、相手の募集内容に合わせた文面が書けます。求人ありとなしの会社に同じ文面を送って返信の数を比べると、自社に合う送り先が分かります。
Q3. 採用ページの応募フォームに営業を送ってもよいですか?
送らないでください。応募者のデータとして管理されるため、人事の担当者の作業を増やします。会社全体の「お問い合わせ」のフォームに送ります。
Q4. 人材紹介と派遣で、文面は変えたほうがよいですか?
変えます。人材紹介では、相手の求人に合う人材の職種と経験を書きます。派遣では、派遣できる職種・人数・開始時期と、必要な期間に合わせられることを書きます。
Q5. 同業の人材会社にもフォームで営業できますか?
できます。求人の共有や紹介先の相互紹介などの提携を相談する内容にして、本文の最初に提携の相談であることを書いてください。「人材会社からの営業はお断り」と書かれた会社には送りません。
Q6. フォーム営業は迷惑になりませんか?法律上の問題はありませんか?
法人向けの問い合わせフォームへの営業は、文面の内容と運用で判断が変わります。営業のメッセージだと分かるように書き、お断りと書かれた会社は除外し、不要な場合の連絡先を書くのが基本です。詳しくは「フォーム営業は違法?」の記事で説明しています。
Q7. 始めるのにいくらかかりますか?
IZANAGIの送信単価は1通1.25円からです。求人を出している会社のリストは、IZANAMIなら月額7,800円から作れます。手持ちの取引先リストを使えば、リストの費用はかかりません。
お問合せフォーム自動営業にご興味をお持ちの方は、お気軽にお問合せください
